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ID番号 07612
事件名 上告受理申立事件
いわゆる事件名 聖パウロ学園(懲戒・普通解雇)事件
争点
事案概要  宗教科の専任講師に採用された労働者が、一年後に受けた契約終了の通知を不当解雇として地位確認等を求めて争った別件訴訟継続中、(1)喫茶店を経営したことが、就業規則に定める兼業禁止等の条文に違反するとして懲戒解雇され、これに対する地位保全の仮処分申立てを認容した決定後、(2)同一事由を理由とする普通解雇、更に(3)宗教科の廃止等による過員整理等を理由とする普通解雇の意思表示をされたため、雇用契約上の地位確認、賃金の支払、及び不法行為責任に対する慰謝料支払等を求めた。一審判決は、就業規則の兼業禁止条項に違反するというためには、兼業によって労働者の労務提供等が著しく困難になる実質を備えたものでなければならないとし、本件喫茶店営業はその実質を備えたものではないとして、就業規則に違反しないとして(1)(2)については無効、(3)についても、宗教科廃止等には合理的理由が認められず、解雇権濫用により無効と判断し、雇用契約上の地位確認及び職場復帰までの賃金の全額支払請求を認容し、二審判決(学園控訴)では、兼業禁止等の規定の前提である「労働者の学園に対する労務給付義務」は学園の責めに帰すべき事由により消滅しているから、喫茶店営業は就業規則に違反するものでなく、(1)(2)を理由とする解雇は無効、(3)についても、宗教科廃止には合理的理由が認められず、解雇権濫用により無効として、最高裁は学園の上告受理申立てを不受理とする決定をし、原審が支持された事例。
参照法条 労働基準法2章
労働基準法89条1項3号
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 二重就職・兼業・アルバイト
解雇(民事) / 解雇権の濫用
解雇(民事) / 解雇と争訟・付調停
裁判年月日 2000年9月28日
裁判所名 最高一小
裁判形式 決定
事件番号 平成12年 (受) 905 
裁判結果 不受理(確定)
出典 労働判例794号5頁
審級関係 控訴審/大阪高/平12. 1.25/平成11年(ネ)160号
評釈論文
判決理由  右当事者間の大阪高等裁判所平成一一年(ネ)第一六〇五号、第三四九三号地位確認等請求控訴、同附帯控訴事件について、同裁判所が平成一二年一月二五日に言い渡した判決に対し、申立人から上告受理の申立てがあったが、申立ての理由によれば、本件は、民訴法三一八条一項の事件に当たらない。