全 情 報

ID番号 07968
事件名 損害賠償等請求事件
いわゆる事件名 テンプスタッフ事件
争点
事案概要  派遣会社Yに派遣先をA学院として労働者派遣契約を締結して雇用されたXが、Yから派遣期間のうち二日間について就労しないように通知され、また本件派遣において派遣人員の減少や就労予定の変更がありXは様々な迷惑を被ったとして、Yに対し、〔1〕休業を命じられた二日分の賃金残額四〇パーセント、及び〔2〕就労中、その後の補償交渉、訴訟でのYの行為などが不法行為、債務不履行などを構成すると主張して慰謝料等及び同居家族の損害生活費を請求したケースで、〔2〕についてはYの行為が不法行為を構成するだけの違法性を有するとか損害賠償請求権を基礎付けるような債務の存在等を認めるに足りる証拠はないとして棄却されたが、〔1〕については、休業を命じられた二日分の賃金残額の支払を求める限度で理由があるとして請求が認容された事例。
参照法条 労働基準法3章
民法709条
体系項目 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / 就労拒否(業務命令拒否)と賃金請求権
労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 使用者に対する労災以外の損害賠償
裁判年月日 2002年5月14日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 平成13年 (ワ) 27849 
裁判結果 一部認容、一部棄却
出典 労経速報1825号48頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔賃金-賃金請求権の発生-就労拒否(業務命令拒否)と賃金請求権〕
 (四)の休業には使用者の責めに帰すべからざる事由が存するとの主張はないから、被告は原告に対し所定の賃金を支払うべきであるところ、(六)の残額は(一六八〇円-一〇〇八円)×一二時間一五分=八二三二円である。〔中略〕
〔労働契約-労働契約上の権利義務-使用者に対する労災以外の損害賠償〕
 1 不法行為の成否
 本件派遣において派遣人員の減少や就労予定の変更があり、原告において様々な迷惑を被ったことは窺えるが、被告の行為が不法行為を構成するだけの違法性を有するとまで認めるに足りる証拠はない。
 2 債務不履行について
 原告主張の損害賠償請求権を基礎づけるような債務の存在、損害の発生及び債務不履行との間の因果関係を認めるに足りる証拠はない。