ID番号 | : | 08019 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件(1026号)、上告受理申立事件(1057号) |
いわゆる事件名 | : | 奈良県立医科大学事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 公立医科大学の助手に採用され、公衆衛生学教室に勤務している女性Xが、同教室の主任教授の退職に伴い、公募・選考の結果、Yが後任教授に決定され、Xの直属の上司になったところ、Yの選考をめぐり、Xを中心とする助手・講師有志が選考委員長に対し、再公募等を求める要望書を提出するなどし、Y就任後もYを一人前の教授として扱わないような態度をとっていたこともあって、XY間に確執が生じていたところ、Yから教室主任たる地位、権限を濫用、越権した数々の嫌がらせを受け、その人格的利益を侵害されたと主張して、〔1〕Yに対し、不法行為に基づき、〔2〕奈良県に対し、国家賠償法一条に基づき(さらに、Xの雇用者として働きやすい職場環境を提供すべき雇用契約上の義務があるにもかかわらず、それを尽くさなかったとして、債務不履行に基づき)それぞれ精神損害及び弁護士費用の賠償を請求したケースの上告審(X上告・上告受理申立て)で、一審、原審ともに、Xの主張のうちYの一部の行為につき違法性を認めたうえで、〔2〕についてのみ損害賠償請求を一部認容していたが(原審は、一審が違法性を認めたYの行為のうち一部についてのみ嫌がらせ行為とし、また、認容額についても原審のそれを減額している)、最高裁は、本件上告理由は民訴法(新)三一二条一項又は二項に規定する事由に該当しないとして上告を棄却、また、本件申立理由も同法三一八条一項により受理すべきものとは認められないとして、Xの上告・上告申立てがいずれも棄却され、原審の判断が維持された事例。 |
参照法条 | : | 国家賠償法1条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 使用者に対する労災以外の損害賠償 |
裁判年月日 | : | 2002年10月10日 |
裁判所名 | : | 最高一小 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成14年 (オ) 1026 平成14年 (受) 1057 |
裁判結果 | : | 棄却、不受理(確定) |
出典 | : | 労働判例839号5頁 |
審級関係 | : | 控訴審/07906/大阪高/平14. 1.29/平成12年(ネ)3856号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-使用者に対する労災以外の損害賠償〕 1 上告について 民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。 2 上告受理申立てについて 本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。 |