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ID番号 09046
事件名 地位確認等請求控訴事件
いわゆる事件名 学校法人専修大学事件
争点 短大閉校に伴う整理解雇の有効性が問われた事案(労働者敗訴)
事案概要 (1) 学校法人Y(被告、被控訴人)に雇用され、Yが設置する北海道短大の教員として勤務していたX(原告、控訴人)らが、平成24年3月31日付けでなされた解雇(整理解雇)は無効であるとして、XらとYとの間の雇用関係が存在することの確認と、Xらの平成24年4月以降の賃金及び平成24年6月以降の賞与の支払を求め提訴したもの。
(2) 札幌地裁は、〈1〉Yには人員削減について相当程度の必要性が認められる、〈2〉Yは、解雇回避努力義務を履行したものと認められる、〈3〉被解雇者の選定方法は合理的なものであった、〈4〉解雇手続の相当性も認められるとしてXらの請求を棄却したためXらが控訴したところ、札幌高裁も原判決を維持し控訴を棄却した。
参照法条 労働契約法16条
体系項目 解雇(民事)/整理解雇/整理解雇の必要性
解雇(民事)/整理解雇/整理解雇の回避努力義務
解雇(民事)/整理解雇/整理解雇基準・被解雇者選定の合理性
解雇(民事)/整理解雇/協議説得義務
裁判年月日 2015年4月24日
裁判所名 札幌高
裁判形式 判決
事件番号 平成26年(ネ)12号
裁判結果 控訴棄却
出典
審級関係 一審  平成25年12月2日/札幌地方裁判所/民事第1部/判決/平成24年(ワ)854号
評釈論文
判決理由 〔解雇(民事)‐整理解雇‐整理解雇の必要性〕
〔解雇(民事)‐整理解雇‐整理解雇の回避努力義務〕
〔解雇(民事)‐整理解雇‐整理解雇基準・被解雇者選定の合理性〕
〔解雇(民事)-整理解雇-協議説得義務〕
 北海道短大の教職員らについて人員削減の必要性があったと認めるのが相当である。(中略)
 Yが、Xらに対し、前記ア(ア)ないし(エ)以外の方法によって雇用関係の継続を提案することは著しく困難であったものというべきである。そして、Yが、前記ア(ア)ないし(エ)の方法のほかに、本件解雇を回避する方法として、早期希望退職者には退職金及び退職加算金に加えて基本給の7か月分の退職特別加算金を支払い、希望退職者には退職金及び定年までの残余年数に応じた基本給の6か月分ないし14か月分の退職加算金を支払うこととして、それぞれ希望退職者の募集を行っていること(〈証拠略〉)、本件解雇に伴うXらの不利益を軽減する方法として、Yの費用負担による再就職支援会社の利用を提案したり(〈証拠略〉)、他の学校法人に対し北海道短大の教員の紹介文書を送付し採用機会を得られるよう努めたりしていること(〈証拠略〉)にも鑑みれば、Yの対応は、本件解雇及び本件解雇に伴う不利益を回避、軽減するための努力を十分に尽くしたものと認めるのが相当である。(中略)
 Yが閉校となる北海道短大の教員のみを解雇候補者としたことには合理性があるというべきであって、Xらの主張は理由がない。(中略)
 Yが、北海道短大の教職員協議会における意見交換や、北海道短大の教職員との個別面談を実施していること(〈人証略〉、X1本人)からすれば、Yは、Xらに対し、Xらが加入する組合や教職員協議会を通じて又は直接に、本件解雇の必要性、本件解雇及びそれに伴う不利益の回避措置、本件解雇の対象者の選定について、納得を得られるよう十分な説明、協議を行ったものというべきである。