全 情 報

ID番号 09124
事件名 地位確認等請求控訴事件
いわゆる事件名 NHK堺営業センター(地域スタッフ)事件
争点 NHK地域スタッフの労働者性が問われた事案(労働者敗訴)
事案概要 (1) X(原告、控訴人兼被控訴人)が、Y(被告、被控訴人兼控訴人)との間で放送受信契約の取次等を業務内容とする有期の委託契約を締結し、15年余にわたり業務に従事していたところ、業績不良を理由として中途解約をされたことについて、地位確認およびその他金銭の支払を求めるとともに、〈不法行為に基づく損害賠償の支払を求める事案である。
(2) 大阪地裁は、本件中途解約は、労働契約法17条1項の類推適用により無効であり、本件契約の期間満了を限度としてXの請求を認容したため、XY双方が控訴したところ、大阪高裁はXの労働者性を否定し、労働契約法の類推適用も否定して、Xの請求を棄却した。
参照法条 労働契約法17条
体系項目 労基法の基本原則(民事)/労働者/(2)委任・請負と労働契約
裁判年月日 2016年7月29日
裁判所名 大阪高裁
裁判形式 判決
事件番号 平成28年(ネ)93号
裁判結果 原判決一部取消自判
出典 判例タイムズ1435号114頁
労働判例1154号67頁
審級関係 一審 大阪地裁/平成27年11月30日/平成25年(ワ)第7442号
上告・上告受理申立て(後上告棄却、上告不受理)
評釈論文
判決理由 〔労基法の基本原則(民事)/労働者/(2)委任・請負と労働契約〕
 地域スタッフについて、上記ア~クのいずれの要素についても、使用従属性の存在を認める方向の事実は認められず、地域スタッフの第1審被告に対する使用従属性を認めることはできない。
 したがって、Xが、労働基準法及び労働契約法上の労働者であるということはできないし、本件契約に労働契約法が類推適用されるということもできない。
 Xは労働契約法上の労働者に該当せず、本件中途解約について労働契約法17条1項は適用も類推適用もされないところ、本件中途解約について、Xの主張する〈1〉公序違反(不当労働行為)、〈2〉本件契約の解約制限条項違反、〈3〉信義則違反はいずれも認められず、本件中途解約は有効である。