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ID番号 09134
事件名 懲戒免職処分取消請求控訴事件
いわゆる事件名 札幌市・市教委(市立中学校教諭)事件
争点 無断欠勤を繰り返した中学校教諭に対する懲戒免職処分の有効性が問われた事案(労働者敗訴)
事案概要 (1) 地方公共団体であるY(被告、被控訴人)において中学校教諭の地位にあったX(原告、控訴人)が、札幌市教育委員会がXに対してなした懲戒免職処分は、地方公務員法29条1項に反し、又は裁量権を逸脱若しくは濫用した違法があると主張して、同処分の取消しを求める事案である。
(2) 札幌地裁は、法29条1項各号該当事由があり、また、本件処分をしたことにつき札幌市教育委員会に裁量権の逸脱又は濫用があったとはいえないから、同処分は適法であるとして、Xの請求を棄却したため、Xが控訴したところ、札幌高裁も原審判決を維持した。
参照法条 地方公務員法29条
地方公務員法33条
地方公務員法35条
職員等の分限に関する条例〔北海道〕2条
地方教育行政の組織及び運営に関する法律43条
体系項目 懲戒・懲戒解雇/懲戒事由/(18) 職務懈怠・欠勤
裁判年月日 2016年9月29日
裁判所名 札幌高裁
裁判形式 判決
事件番号 平成28年(行コ)2号
裁判結果 控訴棄却
出典 労働判例1148号17頁
判例地方自治424号57頁
審級関係 一審 札幌地裁/平成27年12月24日/平成24年(行ウ)第42号
上告・上告受理申立
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇/懲戒事由/(18) 職務懈怠・欠勤〕
 札幌市教育委員会は、上記のとおり、Xに対して長期間にわたって継続的に可能な限りの配慮や指導等の対応をしてきたにもかかわらず、Xが無断欠勤を繰り返したことから、前記認定事実(2)カ(カ)のとおり、2度の事情聴取を行い、本件無断欠勤に関する控訴人の言い分等を確認した上で、Xに対して懲戒処分を科すことを決定し、また、以前に科された停職処分よりも重い免職処分を選択したものである。
 これらの事情を総合すると、Xが抑鬱状態等にあったことを考慮しても、札幌市教育委員会が、Xに対して懲戒処分を科すことを決定し、また、処分内容として免職を選択したことが、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を逸脱しこれを濫用したものと認めることはできない。