ID番号 | : | 09145 |
事件名 | : | 遺族補償給付不支給処分取消等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 国・厚木労基署長(ソニー)事件 |
争点 | : | 精神疾患を有する社員の自殺について業務起因性が問われた事案(労働者敗訴) |
事案概要 | : | (1) 大うつ病性障害を発病し、自殺した亡Tの両親X(原告)らが、亡Tの自殺はソニー株式会社で勤務していたところ、上司によるパワー・ハラスメント、差別的な評価、上司との軋轢、退職強要、配置転換、長時間労働、病気やケガに当たるけいれん発作など業務上の原因であると主張して、厚木労働基準監督署長に対し、労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)に基づき遺族補償給付及び葬祭料の支給を申請したところ、本件監督署長がこれらを支給しない旨の処分をしたことから、その取消しを求める事案である。 (2) 東京地裁は、業務起因性を否定してXらの請求を棄却した。 |
参照法条 | : | 労災保険法7条 労災保険法12条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険/業務上・外認定/(2) 業務起因性 |
裁判年月日 | : | 2016年12月21日 |
裁判所名 | : | 東京地裁 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成25年(行ウ)606号 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例1158号91頁 |
審級関係 | : | 控訴 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険/業務上・外認定/(2) 業務起因性〕 確かに、障害者が業務遂行上、そうでない者と比較してより保護されなければならず、使用者の責任を担保する制度を拡充する必要があるという点は、政策論としてはあり得るものであろうが、しかしながら、労災保険法による保護は、あくまでも業務上の事由により、疾病等を発病した者に対して行われ、業務上の事由に当たるか否かの判断においては、上記のとおりそれまでに起きた出来事を客観的に把握すべきである以上、障害者の保護の必要性を加味すべく、当該被災した労働者である障害者を基準として出来事による心理的負荷の強弱を評価することも相当ではない。(略) 軽症うつ病エピソード発病について、「特別な出来事」としての強い心理的負荷があったと評価される出来事があったことを基礎づける複数の出来事も認められず、本件では、平成22年6月頃に業務上の原因とは認められない適応障害を発症し、亡Tが精神的に脆弱な状態であったところに退職強要を受け、同年8月頃に軽症うつ病エピソードを発症したとみるのが相当であり、同発症については業務起因性を認めることはできない。 |