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ID番号 09188
事件名 地位確認等請求控訴事件
いわゆる事件名 わいわいサービス事件
争点 元請企業の紹介で倉庫の整理作業をしていた傭車運転手の労働者性が問われた事案(労働者敗訴)
事案概要 (1) Y(被告、被控訴人)が顧客から請け負っていた配送業務について、自らの車両を持ち込み、Yの下請けをしていたX(原告、控訴人)が、その後、顧客の倉庫において、荷物の収集や車両の手配等の作業(倉庫作業)を行うようになったことから、倉庫作業についてXY間で雇用契約が成立しており、かつ、Yによる解雇は無効であると主張して、Yに対し、雇用契約上の権利を有する地位の確認を求めるとともに、未払賃金および付加金の支払を求めた事案である。
(2) 大阪地裁は、YがXの指揮監督下において労働し、その対価として賃金の支払を受け取っていたと評価するのは困難であるとして、Xの請求をすべて棄却した
参照法条
体系項目 労基法の基本原則(民事)/労働者/(10)傭車運転手
裁判年月日 2017年7月27日
裁判所名 大阪高裁
裁判形式 判決
事件番号 平成28年(ネ)1862号
裁判結果 控訴棄却、追加請求棄却
出典 労働判例1169号56頁
審級関係 上告、上告受理申立て
評釈論文 濱口桂一郎(東京大学労働法研究会)・ジュリスト1523号147~150頁
判決理由 〔労基法の基本原則(民事)/労働者/(10)傭車運転手〕
 本件配送業務請負契約は、倉庫を保有するA社からB社が配送業務を請け負い、これをYが下請けしてさらに控訴人に請け負わせるものであったところ、その業務内容は、控訴人がA社の倉庫においてB社の従業員の指示に従い、自らが所有する車両を使用して配送を行うものであり、本件配送業務請負契約から直ちに控訴人と被控訴人との間の雇用契約の成立を認めることができない。ところが、Xは、B社の従業員から、A社の豊中倉庫の内勤業務をやらないかと打診され、業務内容や労働条件等はいずれもB社やA社から指示・説明を受けて、平成25年1月16日から倉庫作業を開始したが、XとYとが、業務内容や労働条件など雇用契約の要素となる事項を協議し合意した事実は何らうかがえず、Xが倉庫作業を開始するに当たって、XとYが、倉庫作業を業務内容とする雇用契約を締結したものと認めることもできない。