ID番号 | : | 09235 |
事件名 | : | 措置要求判定取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 三木市・市公平委員会事件 |
争点 | : | 市の職員による勤務条件に関する措置要求却下の是非が問われた事案(労働者勝訴) |
事案概要 | : | (1) Y(被告、控訴人)の職員であるX(原告、被控訴人)らが、処分行政庁に対して地方公務員法46条に基づき勤務条件に関する措置の要求をしたところ、処分行政庁がこれを却下する判定をしたことから、Yに対し、同判定の取消しを求める事案である。 (2)神戸地裁は、同請求を認容したため、控訴人がこれを不服として本件控訴を提起した。 |
参照法条 | : | 地方公務員法46条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事)/労働条件の原則 |
裁判年月日 | : | 2018年5月25日 |
裁判所名 | : | 大阪高裁 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 平成30年(行コ)3号 |
裁判結果 | : | 控訴棄却 |
出典 | : | 労働判例1196号42頁 |
審級関係 | : | 確定 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則(民事)/労働条件の原則〕 「職員は、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、人事委員会または公平委員会に対して、地方公共団体の当局により適当な措置がとられるべきことを要求することができ(地公法46条)、人事委員会または公平委員会は、事案について審査を行い、事案を判定し、その結果に基づいて、その権限に属する事項についてはみずからこれを実行し、その他の事項については、当該事項に関し権限を有する地方公共団体の機関に対し必要な勧告をしなければならない(同法47条)。このことからすると、措置要求の対象は、第1に、給与、勤務時間その他の勤務条件に関するものでなければならず(以下「要件〈1〉」という)、第2に、それについて人事委員会、公平委員会または地方公共団体の他の機関(当局)が一定の措置をとる権限を有することが必要である(以下「要件〈2〉」という)」。 「本件措置要求が求める措置は、改正条例により減額となった原告らを含む要求者73名(以下、あわせて「要求者」という)の給与について現給保障または激変緩和措置を講じることである」が、いずれも市長の権限に属する事項であり、本件措置要求について要件〈2〉の充足を否定する事情も見あたらず、本件措置要求は、前記1の要件〈1〉・〈2〉のいずれをも満たすから、その求める措置が地公法46条に基づく措置要求の対象となる事項に該当しないとしてこれを却下した本件判定は違法である。 |