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ID番号 09246
事件名 労働委員会救済命令取消請求控訴事件
いわゆる事件名 国・中労委(大阪市(チェック・オフ))事件
争点 大阪市によるチェック・オフ廃止通告の不当労働行為該当性が問われた事案(労働者勝訴)
事案概要 (1) X(原告、控訴人)が、被控訴人補助参加人J労働組合(補助参加人J)、被控訴人補助参加人L労働組合(補助参加人L労)、被控訴人補助参加人N労働組合(補助参加人N労)及び被控訴人補助参加人C労働組合(補助参加人C労、この4組合を併せて「補助参加人ら」という。)に対し、組合費を職員給与から天引きするチェック・オフ制度を廃止する旨を通告したこと(本件通告)が、支配介入の不当労働行為に該当するとして、補助参加人らが行った救済申立てに関し、大阪府労働委員会が救済命令を発し、中央労働委員会(中労委)が、本件通告が支配介入の不当労働行為に該当すると判断して、上記救済命令を変更した上で、労働委員会認定型の文書手交を命じる再審査命令を発したため、これを不服とするX(控訴人)が、再審査命令の取消しを求めた事案である。
(2)大阪地裁はXの請求をいずれも棄却し、Xが控訴した。
参照法条 労働組合法7条
体系項目 賃金(民事)/賃金の支払い原則/(5) チェックオフ
裁判年月日 2018年8月30日
裁判所名 東京高裁
裁判形式 判決
事件番号 平成30年(行コ)111号
裁判結果 控訴棄却
出典 判例時報2403号93頁
労働判例1187号5頁
労働法律旬報1924号67頁
審級関係 上告、上告受理申立て
評釈論文 在間秀和・労働法律旬報1924号52~53頁
山本陽大・季刊労働法266号164~176頁
判決理由 〔賃金(民事)/賃金の支払い原則/(5) チェックオフ〕
 「労働組合に対しチェック・オフ廃止による不利益を与えてもなお廃止せざるを得ないという相当な理由がなく、又は廃止に当たっての手続的配慮を欠く場合において、チェック・オフ廃止の目的、動機、その時期や状況、廃止が労働組合の運営や活動に及ぼし得る不利益、影響等の諸要素を総合考慮した上、労働組合の弱体化、運営・活動に対する妨害の効果を持つものといえるときは、支配介入に当たると解するのが相当であることは、前記1説示のとおりである」。