全 情 報

ID番号 09312
事件名 賃金請求事件
いわゆる事件名 飯島企画事件
争点 固定残業代の有効性
事案概要 (1) 一般貨物自動車運送事業等を営む被告(株式会社飯島企画)との間で雇用契約を締結した労働者である原告が、固定残業代については、時間当たりの単価や、予定する時間外労働に係る時間数が示されていないため、時間外手当は、通常の労働時間の賃金と明確に区分されていないこと、また、時間外手当は、実際の時間外労働に係る時間数とは無関係に定められているから、時間外労働に対する対価の性質をもたないなどとして、被告に対し、時間外労働等に係る割増賃金等の支払を求めた事案である。 (2) 判決は、固定残業代の有効性を認めた。
参照法条 労働基準法37条
体系項目 賃金(民事)/割増賃金/(6)固定残業給
裁判年月日 平成31年4月26日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 平成30年(ワ)19135号
裁判結果 棄却
出典 労働経済判例速報2395号3頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔賃金(民事)/割増賃金/(6)固定残業給〕
(1)雇用契約における時間外手当(固定残業代)は、雇用契約締結当初から設けられたものであり、その名称からして、時間外労働の対価として支払われるものと考えることができる上に、実際の時間外労働時間を踏まえて、改定されていたことを認めることができる。
 これらの事実によれば、時間外手当は、時間外労働に対する対価として支払われるものということができ、また、給与明細上もこの名目・金額(基本給、時間外手当等)が記載されており、時間外手当と通常の労働時間の賃金である基本給とは明確に区分されているから、時間外手当について、有効な固定残業代の定めがあったということができる。