全 情 報

ID番号 09387
事件名 損害賠償控訴事件
いわゆる事件名 NOVA事件
争点 外国人英会話講師の労働者性
事案概要 (1) 本件は、いずれも英語を母国語とする外国人であり、一審被告(株式会社NOVA)にて英会話講師として勤務していた原告6人が、一審原告らと被告間の契約につき、形式上業務委託契約とされていたが、実質的には労働契約であり、一審原告らの年次有給休暇請求権の行使を違法に妨げた上、健康保険加入義務を懈怠したとして、一審被告に対し、不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権に基づき、慰謝料・国民健康保険の保険料・弁護士費用の損害賠償を求める事案である。
 一審判決は、一審原告らは労働基準法上の労働者に当たると解するのが相当であるとして、年次有給休暇請求権に基づく慰謝料のほか、一審原告5人については、健康保険法上の被保険者に当たるとして慰謝料の請求を認容した。これに対し、一審被告が控訴した。
(2)判決は、一審原告らは労働基準法上の労働者であるとして、年休権侵害の不法行為に基づく慰謝料、健康保険加入義務懈怠の不法行為に基づく慰謝料等を認容し、一審被告の控訴を棄却した。 
参照法条 労働基準法9条
体系項目 労基法の基本原則 (民事)/労働者/ (2) 委任・請負と労働契約
年休 (民事)/14 年休権の喪失と損害賠償
裁判年月日 令和2年10月23日
裁判所名 名古屋高
裁判形式 判決
事件番号 令和1年(ネ)852号
裁判結果 控訴棄却
出典
審級関係 確定
評釈論文
判決理由 〔労基法の基本原則 (民事)/労働者/ (2) 委任・請負と労働契約〕
〔年休 (民事)/14 年休権の喪失と損害賠償〕
(1)当裁判所も、一審原告らは労働基準法上の労働者に該当し、一審原告らの請求は、年休権侵害の不法行為に基づく慰謝料(一審原告A1につき20万円、その余の一審原告らにつき各10万円)、健康保険加入義務懈怠の不法行為に基づく慰謝料(一審原告A4につき15万円、一審原告A2及び一審原告A5につき各10万円、一審原告A3及び一審原告A6につき各3万円)、不法行為に基づく弁護士費用(一審原告A4につき2万5000円、一審原告A1、一審原告A2、一審原告A5につき各2万円、一審原告A3及び一審原告A6につき各1万3000円)及びこれらに対する遅延損害金につき認容すべきであると判断する。