| ID番号 | : | 09576 |
| 事件名 | : | 地位確認等請求控訴事件 |
| いわゆる事件名 | : | 名古屋自動車学校(再雇用)事件 |
| 争点 | : | 再雇用後の労働条件 |
| 事案概要 | : | (1) 本件は、自動車学校の経営等を目的とする一審被告(株式会社名古屋自動車学校)を定年退職した後に、有期労働契約を一審被告と締結して就労していた一審原告らが、期間の定めのない労働契約を一審被告と締結していた正職員との間に、労働契約法20条に違反する労働条件の相違がある旨主張して、主位的に職員の就業規則が適用されることを前提に本来支給されるべき賃金、賞与と実際に支給された賃金、賞与との差額等の支払い、労働契約法20条違反の労働条件の適用という不法行為に基づく損害賠償、慰謝料等の支払いを求めるとともに、予備的に労働契約法20条違反の労働条件の適用という不法行為に基づく損害賠償等の支払を求めた事案である。 原判決は、労働条件の相違(①基本給のうち正職員定年退職時の額の60%を下回る部分、②皆精勤手当及び敢闘賞(精励手当)の減額分、③賞与(嘱託職員一時金)のうち正職員定年退職時の基本給の60%に各季の正職員の賞与の調整率を乗じた結果を下回る部分)は労働契約法20条違反の労働条件に当たるとして、不法行為に基づく損害賠償として、予備的請求の一部を認容した。 これに対し、それぞれの敗訴部分を不服として当事者双方が控訴した。 (2) 判決は、原判決は正当であって、本件各控訴はいずれも理由がないとしてこれらを棄却した。 |
| 参照法条 | : | 労働契約法20条 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律8条 |
| 体系項目 | : | 労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/不合理な待遇差 |
| 裁判年月日 | : | 令和4年3月25日 |
| 裁判所名 | : | 名古屋高裁 |
| 裁判形式 | : | 判決 |
| 事件番号 | : | 令和2年(ネ)769号 |
| 裁判結果 | : | 控訴棄却 |
| 出典 | : | 金融・商事判例1688号17頁 労働判例1292号23頁 労働法律旬報2044号59頁 D1-Law.com判例体系 |
| 審級関係 | : | 上告受理申立て |
| 評釈論文 | : | 緒方桂子・速報判例解説〔31〕――新・判例解説Watch〔2022年10月〕(法学セミナー増刊)307~310頁2022年10月 |
| 判決理由 | : | 〔労働契約(民事)/労働契約上の権利義務/不合理な待遇差〕 (1)基本給について ①一審原告らの職務内容及び変更範囲は正職員定年退職時と嘱託職員時で相違がなかったこと、②そうであるのに、一審原告らの嘱託職員時の基本給が正職員定年退職時の基本給の50%以下に減額されており、その結果、若年正職員の基本給をも下回っていること、③賃金総合計(役付手当、賞与及び嘱託職員一時金を除く。)も、正職員定年退職時の労働条件を適用した場合の60%をやや上回るかそれ以下にとどまること、④一審原告らが嘱託職員となる前後を通じて、一審被告とその従業員との間で、嘱託職員の賃金に係る労働条件一般について合意がされたとか、その交渉結果が制度に反映されたという事情は見受けられないこと、⑤基本給は、労働契約に基づく労働の対償の中核であることなどの事情の下では、一審原告らの正職員定年退職時の基本給と嘱託職員時の基本給の相違は、嘱託職員時の基本給が正職員定年退職時の基本給の60%を下回る限度で、労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるというのが相当である。 (2)賞与について 一審原告らの嘱託職員一時金と正職員の賞与の相違は、嘱託職員一時金が一審原告らの嘱託職員時の基本給を正職員定年退職時の60%の金額としてこれに各季の正職員の賞与の掛け率を乗じた金額を下回る限度で、労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるというのが相当である。 (3)家族手当について 正職員に対して家族手当を支給する一方、嘱託職員に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらない。 |