| ID番号 | : | 09597 |
| 事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
| いわゆる事件名 | : | 佐山鉄筋工業・海外事業サポート協同組合事件 |
| 争点 | : | 技能実習生の在留資格更新対する受入企業、管理団体の責任 |
| 事案概要 | : | (1)本件は、ベトナム人技能実習生である原告が、鉄筋工事業等を目的とする株式会社である被告会社との間で雇用契約を締結し、鉄筋工として稼働していたところ、被告会社が申請した技能実習計画について在留期間中に外国人技能実習機構(以下「機構」という。)による認定が受けられず又は適切な説明(在留資格を短期滞在に変更する手続を申請すること(以下「本件方法」という。))を受けられなかったことによって在留期間を更新することができず、これによって上記雇用契約を契約期間の中途で解除せざるを得ず、収入を失ったなどとして、被告会社に対して、共同不法行為又は民法628条に基づき、残存期間の賃金相当額等の損害賠償等の支払を求めるとともに、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以下「法」ともいう。)2条10項所定の監理団体である被告協同組合に対し、共同不法行為に基づき、前記と同額の損害賠償等の支払を求める事案である。 (2)判決は、被告会社及び被告協同組合に対し、連帯して、損害賠償として、332万6940円及び遅延損害金の支払を命じた。 |
| 参照法条 | : | 出入国管理及び難民認定法20条 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律2条10項 |
| 体系項目 | : | 賃金 (民事)/ 2 賃金請求権の発生 |
| 裁判年月日 | : | 令和5年9月28日 |
| 裁判所名 | : | 大阪地裁 |
| 裁判形式 | : | 判決 |
| 事件番号 | : | 令和3年(ワ)3191号 |
| 裁判結果 | : | 一部認容、一部棄却 |
| 出典 | : | 労働判例1314号80頁 裁判所ウェブサイト掲載判例 D1-Law.com判例体系 |
| 審級関係 | : | 控訴 |
| 評釈論文 | : | 塩見卓也・季刊労働者の権利354号134~138頁2024年1月 |
| 判決理由 | : | 〔賃金 (民事)/ 2 賃金請求権の発生〕 (1)本件雇用契約の目的及び内容並びに技能実習制度の仕組みに照らせば、被告会社は、原告に対し、原告が技能実習1号ロによる在留期間満了までに技能実習2号ロへの在留資格の変更ができるよう、技能実習1号ロによる在留期間満了までに技能実習計画を作成して機構による認定を受けるべき義務を負っていたというべきである。 被告会社は、平成31年4月23日までに技能実習計画を作成してこれを機構に対して申請したものの、これに対する認定を、原告の技能実習1号ロによる在留期間満了日である令和元年6月8日までに得ることができなかったのであり、その原因は、被告会社の労働基準法等の違反に対する是正を求める本件是正勧告にあったものと認められるから、上記義務を履行することができなかったものといわざるを得ない。 (2)そして、このような技能実習2号ロへの在留資格変更が同1号ロに係る在留期間満了までに行えなかった経緯に加え、本件雇用契約の目的及び内容並びに技能実習制度の仕組みに照らせば、適法に本邦に在留するために在留資格変更申請を行うのは原告であるとしても、被告会社は、原告に対し、本件雇用契約の目的及び内容を実現するため、本邦に在留しながら技能実習2号ロの在留資格変更手続を行うために取り得る手段の有無を調査して、これを原告に対して説明すべき義務を負っていたと認めるのが相当である。 (3)被告会社は、原告に対し、前記(2)の義務を負い、具体的には、その一環として、遅くとも令和元年6月8日までに、本件方法による在留資格変更手続を行うことができる旨を説明すべきであったのにこれを説明しなかったものであり、これを怠ったといわざるを得ない。 これは、民法上の不法行為に当たり、被告会社は、原告に対し、これによって生じた損害の賠償責任を負うものと認められる。 (4)一般に監理団体がその担当する技能実習生に対して在留資格の取得及び変更の方法について調査・説明義務を負うか否かはともかく、本件においては、被告協同組合も、原告に対し、本邦に在留しながら技能実習2号の在留資格変更手続を行うために取り得る手段の有無を調査して、これを原告に対して説明すべき義務を負っていたというべきである。 そして、被告協同組合も、被告会社と共に、原告に対し、遅くとも令和元年6月8日までに、本件方法による在留資格変更手続を行うことができる旨を説明すべきであったのにこれを説明しなかったといわざるを得ず、これは民法上の不法行為に当たり、被告協同組合は、原告に対し、これによって生じた損害の賠償責任を負うものと認められる。 |