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ID番号 09598
事件名 損害賠償等請求事件
いわゆる事件名 損害賠償等請求(セクハラ・パワハラ)事件
争点 指導者のセクハラ発言
事案概要 (1)本件は、一般社団法人日本競輪選手会(以下「日本競輪選手会」という。)に所属する競輪選手である未婚女性の原告が、同じく日本競輪選手会に所属する競輪選手であり、原告の師匠である既婚男性の被告からセクシュアルハラスメント(以下「セクハラ」という。)又はパワーハラスメント(以下「パワハラ」という。)に当たる言動を受け、これらによって、原告が精神的苦痛を受けたほか、レースの欠場や成績低下を余儀なくされた等と主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、慰謝料、逸失利益及び弁護士費用等の支払を求める事案である。
(2)判決は、被告のセクハラ発言の違法性を認め、慰謝料10万円、弁護士費用1万円等の支払を命じた。
参照法条 民法709条
体系項目 労基法の基本原則 (民事)/ 均等待遇/ (11) セクシャル・ハラスメント アカデミック・ハラスメント
裁判年月日 令和5年9月29日
裁判所名 高松地裁
裁判形式 判決
事件番号 令和3年(ワ)414号
裁判結果 一部認容、一部棄却
出典 D1-Law.com判例体系
審級関係 控訴(令和6年4月24日高松高判:控訴棄却、附帯控訴棄却)
評釈論文
判決理由 〔労基法の基本原則 (民事)/ 均等待遇/ (11) セクシャル・ハラスメント アカデミック・ハラスメント〕
(1)被告は、競輪選手である原告の師匠という指導者の立場において、選手としての技術と共に、その立ち振る舞いや生活面も含めて原告を指導しており、その影響力は大きいものであったといえる。
(2)被告の言動(被告が、原告に対して、被告の入院中に見舞いに来なかったことを叱責し、この際、お前は俺が入院している間も彼氏と遊んでセックスばかりしやがって、集中していないからお前ら弱くなってるんだろ、などと述べた言動)は、原告の成績が低迷しつつあることなどを指導するに際し、交際相手との関係について直接的に性的表現を用いて叱責するものであり、当時20歳という若年の未婚女性であった原告に対して強い不快感と性的羞恥心を与えるものである上、原告の師匠として大きい影響力を有するにもかかわらず、原告の成績に関連付けて交際相手との性交渉のあり方に干渉し、原告の性的自己決定権を害するもので、その内容は悪質である。
 以上を総合的に踏まえると、被告の言動は、反復継続したものであるとまでは認められないことを踏まえても、社会的見地から見て、不相当とされる程度に至っていたものと認めるべきであり、違法性が認められる。