ID番号 | : | 10023 |
事件名 | : | 労働基準法違反被告事件 |
いわゆる事件名 | : | 植村魔法瓶工業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 満一八歳に満たない者を労基法六〇条三項、六二条一項に違反して使用したとして使用者が起訴された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法61条1項 労働基準法119条1号 労働基準法60条3項 |
体系項目 | : | 年少者(刑事) / 未成年者の深夜労働 |
裁判年月日 | : | 1973年8月30日 |
裁判所名 | : | 大阪高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和48年 (う) 27 |
裁判結果 | : | 有罪(罰金15,000円) |
出典 | : | 高裁刑集26巻3号334頁/タイムズ304号270頁/家裁月報27巻1号144頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔年少者-未成年者の深夜労働〕 よつて所論にかんがみ記録を精査して案ずるに、一般に交替制労働とは、労働者が複数の組に分れ、一日のうち複数の時間帯ごとに交替して就労する形態をいうが、このうちには、各組が一定期間ごとに他の組と就労時間を交替するものと、就労時間の交替をしないものとが考えられる。そして、労働条件の最低基準を法定し、労働者の地位を保護することを目的とした労働基準法の立法理由および年少者等の深夜業を原則として禁止した同法六二条一項本文の趣旨から見ると、同項但書は使用者のやむを得ない必要を充たすため、年少者の深夜業による疲労、生活の不健全その他心身への悪影響が最も少ない形態のものに限つて例外的にこれを認めたものと解すべきである。この見地からすれば昼間勤務に引続き深夜勤務がなされ、就労時間の交替を伴わないものは、場合によつては年少者が連日深夜業に従事することもあり、勢い、その体力の消耗など心身への悪影響も大きいことはいうまでもないところである。かくては年少者等の深夜業禁止の趣旨はほとんど失われるおそれがあるため、同項但書にいう交替制には該当しないと解するのが相当である。 |