ID番号 | : | 10110 |
事件名 | : | 労働基準法違反事件 |
いわゆる事件名 | : | 飛鳥土木事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 事業附属寄宿舎規程三七条にもとづく仮設の寄宿舎が労基法五四条一項但書にいわゆる「仮設の建設物又は設備」にあたらないとした事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法54条1項 労働基準法96条 |
体系項目 | : | 寄宿舎・社宅(刑事) / 寄宿舎の安全衛生、設備 |
裁判年月日 | : | 1959年3月9日 |
裁判所名 | : | 新潟地長岡支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和33年 (わ) 91 |
裁判結果 | : | 有罪(罰金10,000円) |
出典 | : | 下級刑集1巻3号640頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔寄宿舎-寄宿舎の安全衛生、設備〕 そこで労働基準法第五十四条第一項但書をみると、「仮設の建設物又は設備で命令で定める危険又は衛生上有害でないものについては、」その設置又は移転等に関し、同項本文所定の届出義務が除外されていることを明規しており、ここに「命令」とは、労働安全衛生規則(昭和二十二年労働省令第九号)をいうのであり、かつ右届出義務を除外された仮設の建設物又は設備の具体的な基準は、同規則第五十七条に規定されているところである。 本来、右届出義務は、労働者の安全及び衛生の確保を徹底するため、危害発生の虞れがある建設物又は設備を設けさせないため、行政官庁をしてその計画審査を洩れなく施行させ、その不備については、工事の着手を差し止め、又は計画の変更命令を発せしめる機会をもつことにより、その監督の充全を期そうとする法意に基くものであつて、労働基準法第五十四条第一項但書及び労働安全衛生規則第五十七条が特に寄宿舎を明示せず、仮設の建設物又は設備について更に危険又は衛生上有害でないものに限定しているところをみると、労働者を収容する寄宿舎については特に監督を徹底させるためこれを右仮設の建設物又は設備の中に含ませていないものと考えることができる。従つて、本件事業の附属寄宿舎はいずれも事業附属舎規程第三十七条に規定する仮設の寄宿舎に該当するものではあつても、右届出義務を除外された場合に該当しないから、この点に関する弁護人の主張を採用することはできない。 |