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ID番号 10131
事件名 労働基準法違反被告事件
いわゆる事件名
争点
事案概要  労基法六二条(女子年少者の労働時間規制)違反の事実は包括一罪か併合罪かが争われた事例(併合罪)。
参照法条 労働基準法61条
労働基準法119条1号
刑法45条
体系項目 年少者(刑事) / 未成年者の深夜労働
罰則(刑事) / 併合罪等
裁判年月日 1958年12月2日
裁判所名 大阪高
裁判形式 判決
事件番号 昭和33年 (う) 1026 
裁判結果 棄却
出典 時報179号24頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔年少者-未成年者の深夜労働〕
〔罰則-併合罪等〕
 所論は被告人Y1同Y2の原判示各所為は夫々法律上包括して一罪を構成するに過ぎないところ、原審はこれを併合罪と認めて該当法条を適用し処断したのは違法であると主張するのである。而して原審が被告人等の原判示事実は、労働基準法第六二条違反の罪の併合罪に当るものと認め、刑法第四五条前段第四八条第二項第一〇条等を適用して処断したことは、原判文の示すとおりである。しかし労働基準法第六二条は年少労働者及び女子労働者の健康の保護向上をはかるためにこれ等の者を一日のうち健康に有害な労働時間である同条所定の時間に使用すること(いわゆる深夜業)を禁止し、もつて年少又は女子労働者の各自の福祉を保障しようとする規定であるから、もし使用者が右法条に反して、多数日にわたり多数の年少又は女子労働者を深夜業に使用した場合には特段の事情ある場合を除き、その使用日毎に各就業者各個人別に独立して同条違反の罪が成立するものと解すべく、従つて各就業者の数に応じその就業日数に相当する数の併合罪として処断するを相当とし、これ等を包括して一罪が成立するものとなすべきでない。されば原審がこれと同趣旨に解し、本件判示各罪を包括して一罪とせず、併合罪の関係にあるものとして前記併合罪の法条を適用し夫々処断したことはまことに正当である。