全 情 報

ID番号 10138
事件名 労働基準法違反被告事件
いわゆる事件名 利川紡績事件
争点
事案概要  女子年少者に対する深夜業違反に関する事例。
参照法条 労働基準法61条
労働基準法119条1号
体系項目 年少者(刑事) / 未成年者の深夜労働
裁判年月日 1957年8月21日
裁判所名 名古屋家
裁判形式 判決
事件番号
裁判結果 有罪(罰金20,000円,10,000円)
出典 家裁月報9巻8号74頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔年少者-未成年者の深夜労働〕
 被告人Y1株式会社は名古屋市中川区(略)に本店並に工場を有し、各種繊維の製織業を目的とする会社であり、被告人Y2は右会社の常務取締役で右工場の責任者であつて従業員の雇傭、就労、賃金支払等労働者に関する事項について会社の為めに行為をする使用者であり、被告人Y3は右会社の工務課長として生産部門を担当し工場従業員の就労について直接指揮監督する等労働者に関する事項について会社のために行為する使用者であるが被告人Y2、同Y3は共謀の上、右会社のため法定の除外事由がないのにかかわらず別表記載のとおり昭和三十一年九月二十一日から同年十月二十日迄の間右会社工場に於て十八歳未満の女子労働者A他二十二名をして毎就労日二交替制による終業時刻である午後十時三十分を超え或は始業時刻である午前五時以前に於て一時間三十分乃至二時間延べ九時間三十分乃至四十六時間の深夜業労働をさせたものである。
 (中略)
 法律に照すと抗告人Y2同Y3の判示各所為は各労働基準法第六十二条第三項、第百十九条第一号、刑法第六十条に該当するところ所定刑中各罰金刑を選択することとし、右の各罪は刑法第四十五条前段の併合罪であるから刑法第四十八条第二項に則り所定罰金額の合算額の範囲内で被告人Y2同Y3を夫々罰金壱万円に処し右罰金を完納することができないときは刑法第十八条第一項に則り金弐百円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置することとする。被告人会社については被告人Y2同Y3が夫々右会社の常務取締役、工務課長として会社の労働者に関する事項について被告会社のために労働基準法第六十二条第三項の違反行為をしたのであるから同法第百二十一条第一項本文、第六十二条第三項、第百十九条第一号、刑法第四十五条前段、第四十八条第二項を適用して所定罰金額の範囲内で被告人会社を罰金弐万円に処することとして主文のとおり判決する。