ID番号 | : | 10199 |
事件名 | : | 労働基準法違反 |
いわゆる事件名 | : | 高樹土木事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 期日後に賃金が支払われた場合、労基法二四条違反が成立するか否かが争われた事例(肯定)。 |
参照法条 | : | 労働基準法24条 労働基準法119条1号 |
体系項目 | : | 賃金(刑事) / 賃金の支払い方法 / 定期日払い |
裁判年月日 | : | 1951年3月27日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和25年 (う) 1914 |
裁判結果 | : | 破棄自判 |
出典 | : | 高裁刑特報21号49頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金の支払い方法-定期日払い〕 被告人はその経営せる土木建築請負の事業に使用せる労働者……に対し昭和二十三年九月分賃金二百円と同年十月分賃金の内八百円をそれぞれ月末の支払期日に支払わなかつたが同年十一月には同月分賃金三千八百円に対し四千九百七十円を支払つており更に同年十二月分の賃金四千五百五十円の内四千百円を同月末支払つたのみであつたが、昭和二十四年四、五月分の賃金五百円に対し七百円を支払つた事実が認められるのである。従つて右賃金支払を清算すれば結局被告人が(労働者)に対し未払賃金残高は金八十円のみであることは所論の通りである。しかし労働基準法第二十四条は「賃金は毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と規定しているのであるから、前記のように昭和二十三年九月分と十月分の賃金の一部合計千円をそれぞれその月の末日までに支払わなかつたこと明白な以上、これによつて同法第百二十条の犯罪は成立するものといわねばならない。従つてたとえ右期日後に至つて被告人から未払賃金を支払つても、民法上の債務不履行の責は免れても一旦成立した犯罪が消滅する理由がない。 |