ID番号 | : | 10204 |
事件名 | : | |
いわゆる事件名 | : | 長門無煙炭鉱事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 賃金不払の罪について罪数が問題となった事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法24条 |
体系項目 | : | 賃金(刑事) / 賃金の支払い方法 / 罪数 |
裁判年月日 | : | 1951年5月30日 |
裁判所名 | : | 山口地下関支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | |
裁判結果 | : | |
出典 | : | |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金の支払い方法-罪数〕 四 本件起訴状によれば被告人は昭和二十四年九月より同年十二月迄の間三百六十八回に亘り労働者であるA外百九名に対し起訴状添付の別表の如く総賃金百十一万七千二百三十四円八十三銭を支払わなかつたと記載されてあり、その後検察官は公判廷で右人員をB外百三名に、回数を四百十回に、金額を百十四万八千三百六十一円九十九銭に変更した。 検察官の起訴は各人毎に毎月支払期日の到来により一罪が成立し、夫々併合罪の関係にあるとの見解に立つており若し然りとすれば公判廷に於ける前記の如き変更は許されない。 しかし当裁判所は労働基準法第二十四条違反罪は毎月支払期日の到来により包括的な一個の犯罪が成立するとの見解の下に検察官の訴因変更を許容し審理の結果判示認定の別表記載の不払の事実は証拠により認定できる。右は起訴人員より減少するが認定以前の起訴にかかる各人に対する不払の点は之を認めるに足る証拠がない。しかし前記の如く包括的な一個の支払義務違反の一部であるから認定できない部分についても特に無罪の言渡をしない次第である。 |