ID番号 | : | 10209 |
事件名 | : | |
いわゆる事件名 | : | 長門無煙炭鉱事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労基法違反(賃金不払)につき、労基法一二一条(両罰規定)但書は、その行為者についても類推適用されるか否かが争われた事例(否定)。 |
参照法条 | : | 労働基準法24条 労働基準法121条 |
体系項目 | : | 賃金(刑事) / 賃金の支払い方法 / 定期日払い 罰則(刑事) / 両罰規定 |
裁判年月日 | : | 1951年7月19日 |
裁判所名 | : | 山口地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | |
裁判結果 | : | |
出典 | : | |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金の支払い方法-定期日払い〕 〔罰則-両罰規定〕 (罪となる事実)被告人は昭和二十三年十二月頃より昭和二十五年一月末頃迄山口県豊浦郡豊田前村(略)所在の長門無煙炭鉱の鉱業所長として同炭鉱の事業経営を担当し使用者の地位にあつたものであるが労働者に対する賃金は毎月一回以上一定の期日を定めて支払わなければならないにも拘わらず同鉱業所、事務所に於て別表一記載の如く同炭鉱使用の労働者に対し昭和二十四年九月分より昭和二十四年十二月分までの間に同年九月分は合計金十三万七千二百五十円五十一銭同年十月分は合計金十五万八千二十五円二十三銭同年十二月分は合計一万九千五百十九円二十七銭の賃金の支払を夫々しなかつたものである。 (中略) (弁護人の主張について) 弁護人は労働基準法第百二十一条第一項但書の規定は本件被告人の如き事業主にあらざる使用者にも類似適用せらるべきであり而して被告人は本件違反防止に必要な措置をしたものであるから無罪である旨主張している。しかし右但書の規定は事業主のために行為をしたその使用人等の違反行為に対し該違反行為に何等関係のないその事業主をも各本条の罰金刑のみを以つて処罰すべき場合に於て当該事業主の免責事由を規定したものであるから該規定を違反行為を為した使用人そのものの免責事由として之に類似適用し得べき筋合のものでない。従つて弁護人主張の所謂被告人の努力なるものは右但書に所謂違反防止に必要な措置というを得ない。依つて右弁護人の主張は之を採用出来ない。 |