ID番号 | : | 10211 |
事件名 | : | 労働基準法違反被告事件 |
いわゆる事件名 | : | 三和電線工業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 両罰規定(労基法一二一条一項)にいういわゆる違反の防止に必要な措置の意義が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法121条1項 |
体系項目 | : | 罰則(刑事) / 両罰規定 |
裁判年月日 | : | 1951年9月21日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和26年 (う) 1942 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 高裁刑集4巻13号1787頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔罰則-両罰規定〕 (二) しかし労働基準法第百二十一条第一項但書に「違反の防止に必要な措置をした」と謂い得るためには単に一般的に違反行為を為さざるよう注意を与えたというだけでなく特に当該事項につき具体的に指示を与えて違反の防止に努めたことを要すると解すべきである。そして原判決はその認定の如き情況の下においては辯護人主張のような注意書を貼付して置いた丈けでは違反防止に必要な措置とは認められない旨を判示して辯護人の主張を排斥し同条第一項但書の規定を適用しなかつたのは正当である。又右貼紙以外に被告会社が違反の防止に必要な措置をしたということは原審で主張されなかつたばかりでなく原判決も右以外に違反の防止に必要な措置をしたと認めるに足る証拠のないことをも併せて判断しているものと解し得る。 よつて原判決には(一)被告人Yの本件違反所為に対する犯意の点について事実の誤認なく(二)被告会社に対し労働基準法第百二十一条第一項但書の適用を誤つた違法はない。 |