ID番号 | : | 10215 |
事件名 | : | 労働基準法違反事件 |
いわゆる事件名 | : | 三進産業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 両罰規定(労基法一二一条一項但書)にいう、違反の防止に必要な措置の意義が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法121条1項 |
体系項目 | : | 罰則(刑事) / 両罰規定 |
裁判年月日 | : | 1951年10月18日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和26年 (う) 1115 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 高裁刑特報24号144頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔罰則-両罰規定〕 弁護人控訴の趣意第一点は、原審弁護人藤田馨は昭和二十五年九月二十一日原審第八回公判で被告会社の代表者Aにおいて何時も労働基準法違反のなきよう注意しており、労働基準法第百二十一条第一項但書により被告会社には原審相被告人三井嘉七の判示所為につき罪責なく無罪たるべき旨法律上犯罪の成立を妨げる事由を主張したのにかかわらず、原判決はこれにつき何らの判断を示さないのは失当であり、破棄を免れない、というのであるが、労働基準法第百二十一条第一項但書所定の違反の防止に必要な措置とは単に一般的に労働基準法所定の法規に違反しないよう注意を与えただけでは足りないのであつて、十八歳未満の従業員については一々時間外労働をさせないよう、又深夜業労働に使用しないよう具体的に指示し、一般従業員の時間外労働については所定の手続を経るよう特に指示する等その他判示各場合につきそれぞれ一々適切な指示を与える等特に具体的に違反防止に努めたことを必要とするのであり、被告会社の代表者Aにおいてかかる措置に出でたことは記録上これを確認し難いところであつて、原判決もまたこれを認めないことは判文上おのずから明らかである。即ち原判決は右弁護人所論の主張に対しこれを認めない旨の判断を示しいるものと解すべきであり、原判決には何ら所論のような違法はない。論旨は理由がない。 |