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ID番号 10219
事件名 労働基準法違反被告事件
いわゆる事件名 恵美須水産事件
争点
事案概要  表面上は会社の有限責任社員にすぎない者が労基法二四条の賃金支払責任者となるか否かが争われた事例。
参照法条 労働基準法24条
労働基準法120条1号
労働基準法10条
体系項目 労基法総則(刑事) / 使用者 / 労基法の使用者
賃金(刑事) / 賃金の支払い方法 / 定期日払い
裁判年月日 1951年12月20日
裁判所名 最高一小
裁判形式 決定
事件番号 昭和25年 (あ) 3254 
裁判結果 棄却
出典 刑集5巻13号2552頁/裁判集刑58号601頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労基法総則-使用者-労基法の使用者〕
〔賃金-賃金の支払い方法-定期日払い〕
 また、労働基準法一二〇条一号にいわゆる第二四条の規定に違反したものとは、同法二四条の規定により賃金を支払うべき使用者であつて、しかも、同条に違反した者をいうものと解するを相当とする。そして、労働基準法で使用者とは、同法一〇条において、「事業主又は事業の経営担当者がその他その事業の労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者をいう。」と規定している。されば、第一審判決が、被告人を、「表面上は同会社の有限責任社員に過ぎないが、事実上は右設立以来同会社は同被告人経営の個人商店の如く同会社運営に関する実権を握つて同会社の経営を担当しているもの」と認定判示して、本件行為に対し同法二四条二項、一二〇条一号等を適用したのは、その法令の適用が正当であつて、所論の違法がないものといわなければならない。