ID番号 | : | 10233 |
事件名 | : | 労働基準法違反事件 |
いわゆる事件名 | : | 愛知興業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 法定の労働時間を超える労働をさせたとして社長と従業員が起訴された事例(従業員有罪、社長無罪)。 |
参照法条 | : | 労働基準法121条1項 |
体系項目 | : | 罰則(刑事) / 両罰規定 |
裁判年月日 | : | 1950年5月27日 |
裁判所名 | : | 西尾簡 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | |
裁判結果 | : | 一部有罪(罰金500円)・一部無罪 |
出典 | : | 裁判資料55号545頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔罰則-両罰規定〕 次に被告人Y1に対する本件起訴事実は、被告人はガラ紡糸の製造を業とするA株式会社の取締役社長として同会社の事業経営の全般を掌理していたものであるが、被告人Y2は同会社に雇われ愛知県幡豆郡西尾町(略)所在の同会社西尾工場の工場長として、その経営並に労務管理一切を担任している間に法定の除外事由なくしてその業務に関し、同工場において昭和二十三年三月二十九日より同年十一月十五日までの間に、労働者B、C、D、E、F、G、H七名に対し起訴状に添付の個人別超過労働時間数一覧表に記載の通り、法定の労働時間を超えること一日について一時間乃至三時間の時間外労働をなさしめたものであつて、被告人Y1は事業主としてその違反の防止につき必要な措置をしなかつたものである、というのであるが、本件の場合における事業主はA株式会社であつて、その代表者である被告人Y1ではない。従つて労働基準法第百二十一条第一項に定める処罰の対象となるものは、法人であるA株式会社であつて、取締役社長の地位にあつた被告人Y1ではない。結局同被告人に対する本件起訴事実は罪とならないから無罪を言渡すべきものとする。 |