ID番号 | : | 10235 |
事件名 | : | 労働基準法違反事件 |
いわゆる事件名 | : | 東芝電気川岸工場事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 賃金支払期日に所定の賃金を払わず又失業保険金を納付しなかったとして工場長・会社社長が起訴された事例(無罪)。 |
参照法条 | : | 労働基準法20条2項 |
体系項目 | : | 賃金(刑事) / 賃金の支払い方法 / 定期日払い |
裁判年月日 | : | 1950年5月30日 |
裁判所名 | : | 長野地諏訪支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | |
裁判結果 | : | 無罪 |
出典 | : | 裁判資料55号498頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金の支払い方法-定期日払い〕 被告人Y1はこの間に処して、被告人会社の代表者として又事業主として、会社従業者の賃金支払に意を用い、右昭和二十三年十月分の賃金支払については特に慎重を期し、所定期日に全額支払の困難なる事情を察知し、資金繰りのつき次第に支払うことを決意し、会社幹部を率いて陣頭に立つて資金の調達を図り、漸くにして右賃金の支払を了したることの、その努力を認めるに十分である。当時の経済界一般が金融難の折、被告人Y1は右十月分の賃金支払につき最善を尽し、極力遅払の防止並びに全額支払につき必要な措置を講じたものと謂える。従つて、同被告人の行為は労働基準法第百二十一条第二項の犯罪を構成しないから、同被告人に対しては、刑事訴訟法第三百三十六条前段により無罪を言渡すべきである。 |