ID番号 | : | 10298 |
事件名 | : | 労働基準法違反事件 |
いわゆる事件名 | : | 曽我ウメ事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労基法六条にいう「利益を得」ることの意義が問題となった事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法6条 労働基準法118条 |
体系項目 | : | 労基法総則(刑事) / 中間搾取 |
裁判年月日 | : | 1949年6月29日 |
裁判所名 | : | 仙台高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和24年 (を) 5 |
裁判結果 | : | 有罪(懲役6か月) |
出典 | : | 高裁刑特報5号10頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法総則-中間搾取〕 被告人の本件犯行は業として為したものではなく、又何等実質上の利益は得ていないのみならず被告人は性来無学で労働基準法や職業安定法の如き法律の施行されていることなどは全然知らされず、結局本件犯行も罪を犯す意見がなかつたのであるからこれを労働基準法に擬して被告人を有罪なりと断定した原判決は失当であると謂うにあるが、同条に所謂業としてとは、反覆継続の意思を以て同条所定の行為をなすことであり、利益を得るとは該行為により金銭その他の財物を得ることをいい、仮令それが被告人より請求したると否と又その名儀如何や事実上の損益如何に拘わらざるものと解するを相当とする。 故に荀も原判決認定の如く法律に基いて許される場合でないのに拘わらず数回に亘り他人の就業につき斡旋仲介を為し因て金員その他の財物を得た以上労働基準法第六条に該当すること勿論である。尚被告人は無学文盲で法律を知らず本件については犯意がなかつたと云うが法律の不知はもとより犯意を阻却しないこと明瞭であるから弁護人の論旨は理由がない。 |