全 情 報

ID番号 10303
事件名
いわゆる事件名 快楽飲食店事件
争点
事案概要  特殊飲食店の経営者がAに金二万円を貸し付け弁済方法としてAの娘を同飲食店で給仕人として三年間稼働させる旨の労働契約を結んだことにつき労基法五条および労基法一四条違反の罪に問われた事例。
参照法条 労働基準法5条
労働基準法14条
労働基準法120条
体系項目 労基法総則(刑事) / 強制労働
労働契約(刑事) / 契約期間
裁判年月日 1949年7月29日
裁判所名 松山地八幡浜支
裁判形式 判決
事件番号
裁判結果
出典
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労働契約-契約期間〕
 被告人は八幡浜市(略)でBと称して特殊飲食店を経営しているものであるが
 第一 昭和二十四年二月中旬頃喜多郡五十崎町の旅館でAに対し金二万円を貸付けこれが弁済方法として同人との間に於て同人の娘C(昭和七年六月生当十八年)を被告人方飲食店の給仕人として三年間稼働させその賃金によつて支払をする旨の労働契約を結び
 (中略)
法律に照らすと被告人の判示所為中判示第一の点は労働基準法第十四条第百二十条に……該当する……
〔労基法総則-強制労働〕
 昭和二十四年四月頃同女が眤懇になつた男と同市Dホテルに数日間宿泊して廃業しようとしたのでこれを阻止して引続き特殊給仕の仕事に従事させる為自己店舗から同ホテルに電話をかけ、又は使者を遣つて『Eは居らんか』と怒鳴り散らし帰店しないときは如何なる危害を加えるかもしれないような態度を示して脅迫特殊給仕の労働を強制したものである。