ID番号 | : | 10315 |
事件名 | : | 労働基準法違反事件 |
いわゆる事件名 | : | 南厚狭炭礦事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 毎日三回位空気を抜くため、又一週間に一回位油を差すため、地下五米余の坑内に降りる水揚ポンプ掛の仕事が、女子年少者に禁止されている坑内労働にあたるか否かが争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法63条(旧64条) |
体系項目 | : | 女性労働者(刑事) / 女性の坑内労働 |
裁判年月日 | : | 1949年10月17日 |
裁判所名 | : | 広島高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労基判集281頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔女性労働者-女性の坑内労働〕 被告人は山口県厚狭郡厚狭町A炭礦組合(匿名組合)の頭取として採炭経営をしている者であるが、昭和二十三年三月以降同炭礦労働者として雇入れた年少者を就労させるに当り 第一 年少者B(当十七年)を昭和二十三年八月二十四日から同年十月一日までの間毎日、二、三回空気を抜くため又一週間に一回位油を差すため坑内に下りて行くことを要する水揚ポンプ掛として以て坑内労働に従事させ、 第二 年少者C(当十七年)を昭和二十三年五月頃から二、三ケ月の間毎日三回位空気を抜くため又一週間に一回位油を差すため坑内に下りて行くことを要する水揚ポンプ掛として坑内労働に従事させたものである。 (中略) ……被告人及び弁護人小河正儀はB及びCが空気抜きのため又は油さしに坑に入る時間は僅か十分位に過ぎず、しかもその場所は地表から五米余であるから右B等の仕事は坑内労働ということはできないと主張するけれども、前示各証拠に依り認められるように本件の入口の直径は三米五十糎に過ぎず右B等が仕事をするポンプの取付けられた中段の足場は入口の盛土を除いても地表から五米二十糎の深さがあり、又たとえその仕事に要する時間が所論のように短時間であつたとしても、臨時にはいるのではなく日常の業務として毎日入るのである点及び本件坑の地形等を考察すると、右B、C両名の仕事は坑内労働と解するを相当とするので被告人及び弁護人等の右主張は採用できない。 |