ID番号 | : | 10526 |
事件名 | : | 労働基準法違反被告事件 |
いわゆる事件名 | : | 月ケ瀬事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | レストラン等を経営する会社において年少者に違法な時間外労働、深夜労働をさせていたとして取締役管財部長等が起訴された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法60条1項 労働基準法61条1項 労働基準法32条 |
体系項目 | : | 年少者(刑事) / 未成年者の時間外労働 労働時間(刑事) / 労働時間の概念 |
裁判年月日 | : | 1969年8月11日 |
裁判所名 | : | 東京家 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和43年 (少イ) 6 |
裁判結果 | : | 一部無罪,一部有罪(罰金5,000円等) |
出典 | : | 家裁月報22巻3号172頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働時間-労働時間の概念〕 証拠標目ハ、トによれば、Aは入社以来自由意思で早めに出社していたが、勤務につくのは午前八時三〇分であつたこと、ときにはボイラーの点火を見学するため早朝に出社したことがあるが、それが何月何日であつたかははつきりしないことが認められるので、別表二、時間外労働一覧表のうち、始業時前の出社時間は時間外労働として認めず、これを差し引くと別表二の(一)が同人のなした時間外労働となる。 なお、Aが終業後手足を洗い更衣する時間は勤務時間から除くべきであると弁護人は主張するが証拠標目ハによればAの仕事は営繕関係であり、終業後更衣したり手を洗うことはその業務の性質上、勤務時間に含まれるものと判断するのが相当であるから、終業後の在社時間は労働時間と解する。 〔年少者-未成年者の時間外労働〕 その起床時間、就業時間についてのB、Cの当公判廷における供述はまちまちで直ちに信用することができないが、その他の点に関する同人らの供述およびD、Eの当公判廷における供述によれば、千葉工場から東京本社に輸送する製品は、遅くも午前七時までには到着するよう、輸送課長Yから要請されていたので、輸送トラックは午前六時半から七時頃までには本社に到着していたこと千葉工場から本社までの走行所要時間は朝は約一時間でありパン類の積荷時間は三〇分から一時間であることから逆算すると、助手であるB、Cがパン類の積荷に着手するのは四時半から五時半までの間であるが、本人達が早く仕事を切り上げたいときはもつと早く仕事にかかることもあり、従つて始業時間は毎日一定していなかつたことが認められる。従つて昭和四二年八月二〇日から九月一六日までの間においてCやBが午前五時前の深夜営業に従事した事実のあることは推認されるが、その月日および時間についてはこれを明らかにする証拠がない。 よつて、被告人Yに対する公訴事実はこれを認めることができない。 |