全 情 報

ID番号 10560
事件名 労働基準法違反被告事件
いわゆる事件名 日本精機事件
争点
事案概要  年少者に対し法定労働時間を超えて労働させたとして罰金刑が言い渡された事例。; 労働基準法六〇条三項違反の罪は、違反一日を単位とし、かつ各労働者個人別に独立して一罪が成立するとされた事例。
参照法条 労働基準法60条3項
労働基準法119条1号
労働基準法121条1項
体系項目 年少者(刑事) / 未成年者の深夜労働
罰則(刑事) / 罪数
裁判年月日 1964年12月15日
裁判所名 岐阜家
裁判形式 判決
事件番号 昭和39年 (少イ) 6 
裁判結果 有罪(一部罰金30,000円・20,000円)
出典 家裁月報17巻8号116頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔年少者-未成年者の深夜労働〕
 (罪となるべき事実)
 被告人会社は、岐阜市(略)に本店及び工場を置き労働者約六八名を使用して紡織機用の部品製造販売業を営むもの、被告人Y1は同会社の代表取締役として会社の経営一切の業務を統轄しているもの、被告人Y2は同会社の工場長兼製造部長として同社の労務管理を含む生産管理等を担当しているものであるが、被告人Y1、同Y2は共謀の上、何等法定の除外事由がないのにも拘らず、被告人会社の業務に関し、別紙犯罪事実一覧表〔略〕のとおり、昭和三九年七月二〇日より同年八月一四日までの間、前後一二九回にわたり、右工場において、年少労働者A(当一五歳)外九名に対し一日八時間の実労働時間を超えて、延一八二時間五〇分の時間外労働をさせたものである。
〔罰則-罪数〕
 法律によると、被告人Y3株式会社の判示事実は、労働基準法第一一九条第一号、第六〇条第三項、第一二一条第一項に、被告人Y1、同Y2の判示事実は、同法第一一九条第一号、第六〇条第三項、刑法第六〇条に各該当するところ、右は違反一日を単位として一罪が成立し、且つ各労働者個人別にそれぞれ独立して犯罪が成立すると認められるから、以上いずれもその所定刑中各罰金刑を選択し、以上は刑法第四五条前段所定の併合罪であるから、同法四八条第二項に従い、各罪について定めた罰金の合算額の範囲内において被告人Y3株式会社、同Y1をそれぞれ罰金三万円に、被告人Y2を罰金二万円に処し、刑法第一八条に則り、被告人Y1、同Y2において右罰金を完納することができないときは、金五〇〇円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置することとして主文のとおり判決する。