ID番号 | : | 10566 |
事件名 | : | 業務上失火、労働基準法違反被告事件 |
いわゆる事件名 | : | 山陰製粉事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 工場の火災事故に関連して、当該会社の取締役社長であった者が工場の電気設備に関して、危険防止の措置を講じていなかったとして労働基準法(旧)四二条の違反で起訴された事件。 |
参照法条 | : | 労働安全衛生規則9条 労働安全衛生規則124条 |
体系項目 | : | 労働安全衛生法 / 危険健康障害防止 / 危険防止 |
裁判年月日 | : | 1950年7月26日 |
裁判所名 | : | 松江地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | |
裁判結果 | : | 無罪 |
出典 | : | 刑事裁判資料55号562頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働安全衛生法-危険健康障害防止-危険防止〕 労働安全衛生規則第九条は明らかに防火規定の作成を命じてはいるが、これを必要とする場合及び規定の内容に関しては全く何等の基準をも示していない。その趣旨は、前叙火元責任者の選任について説示したところと同じように、防火規定の如きも、各企業の形態、内容に応じて適宜考案せらるべきであつて、専ら監督機関による監督上の行政措置に一任するのを適当としたものに外ならない。〔中略〕 抑も、労働安全規則第百二十四条の精神は、各種企業において電気施設による危害が発生する事例は少くないので、労働者が危害の発生によつて不慮の災害に罹ることがないように、企業の安全管理を全うするために、特に使用者の電気施設に対する注意を喚起せんとするに在る。そのためには、決して定期的に実施される形式的な点検の如きを要求しているものでないことは論を俟たない。叙上のような措置を講じていた被告人において、右公訴事実に掲げる点検をなすべき義務を懈怠したとの違反事実は、これを認めるに足る証拠が十分でないものと謂わねばならない。 |