1.労働判例の動向 講師:竹内 寿 早稲田大学法学学術院教授
直近の動向(おおむね直近1年間の動き)に焦点を当て、重要な判例・裁判例を取り上げ解説します。
本年度は、以下の事件を取り上げ、これらの判例・裁判例の意味するところを掘り下げつつ、できるだけ分かり
やすく解説します。
(1)職場トイレの性自認に即した自由な使用を求める措置要求を認めなかった人事院判定の違法性が争わ
れた事例 (国・人事院(経産省職員)事件・最三小判令和5・7・11)
(2)正社員と定年後再雇用有期嘱託職員との間の基本給格差の不合理性が争われた事例 (名古屋自動
車学校事件・最一小判令和5・7・20)
(3)訪問等の事業場外業務への従事が労基法38条の2にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるかが争
われた事例 (協同組合グローブ事件・最三小判令和6・4・16)
(4)職種及び業務内容を限定する旨の合意が存在する状況下での配転命令の有効性が争われた事例
(滋賀県社会福祉協議会事件・最二小判令和6・4・26)
(5)時季変更権の行使がその行使時期や要員数などとの関係で違法であるかが争われた事例 (東海旅客
鉄道事件・東京高判令和6・2・28)
2.労働政策の動向 講師:原 昌登 成蹊大学法学部教授
労働関係法令のうち、立法・改正が成立したものや、改正が検討されているものなどについて、企業の人事
労務管理を考える上で重要なものをいくつか取り上げ、ポイントをわかりやすく解説します。
本年度は、以下の法改正、政策の動向等を取り上げる予定です。
(1)令和6年雇用保険法等改正(案)
(2)令和6年育児・介護休業法等改正(案)
(3)カスタマーハラスメント(カスハラ)防止をめぐる政策動向